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スケーリングとは?主な種類・効果・注意点を解説

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歯科コラム/2021年11月4日

スケーリング

歯科医院のメンテナンスや歯周病治療では「スケーリング(歯石取り)」と呼ばれる処置を行うことがあります。日常ではあまり耳にしない言葉なので、初めて聞く方もいらっしゃるかもしれませんね。ここではそんなスケーリングの主な種類や効果、注意点などをわかりやすく解説します。

スケーリングとは

歯石

歯石を取る処置

スケーリングとは、歯の表面に形成された歯石を除去する処置です。歯石は歯垢が硬くなった物質で、歯ブラシによるブラッシングや歯のクリーニングでは落とすことが困難です。歯石取りであるスケーリングなら、効率良く歯石を取り除けます。

スケーラーという器具を使う

スケーリングでは、スケーラーという器具を使って歯石を取ります。最も標準的なのは手で動かす手用スケーラーで、その他にも超音波スケーラーやエアスケーラーなどもあります。それぞれ形態や取り扱い方法、期待できる効果などが異なりますので、次の章で詳しく解説します。

スケーリング(歯石取り)の種類

スケーラー

歯石取りは、処置を施す部位によって2つに大きくわけることができます。それは狭い意味での「スケーリング」と「ルートプレーニング」です。

歯茎より上の歯石はスケーリング

私たちの歯は、お口の中に露出している部位を歯冠(しかん)、歯茎の中に埋まっている部位を歯根(しこん)といいます。スケーリングは、基本的に歯冠部に付着した歯石を取る処置を指します。ただし、歯石取りを総称してスケーリングと呼ぶこともある点にご注意ください。

歯茎より下の歯石はルートプレーニング

歯茎に埋まっている歯根面の歯石は、ルートプレーニングによって取り除きます。ルートとは歯根を意味する言葉で、プレーニングは滑沢という意味です。つまり、歯根面の歯石を取り除いて、滑らかにするのがルートプレーニングなのです。

スケーラーの主な種類

種類①手用スケーラー

手用スケーラーは、文字通り手で動かす器具です。一見すると歯科用の探針と同じように見えますが、先端の刃の部分が鋭くとがっています。刃物と同じようによく切れるので、使用方法には十分な注意が必要です。そんな手用スケーラーの刃の部分は十数種類あり、それぞれで適した部位が異なります。前歯から奥歯まではもちろんのこと、歯冠と歯根の両方に対応できるのも手用スケーラーの利点といえます。

種類②超音波スケーラー

超音波スケーラーは、器具の先端から超音波を発生させて歯石を取る器具です。手用スケーラーのように歯石を削り取るのではなく、衝撃波によって歯石を破壊するのが特徴です。非常にパワーが強いことから、施術中に痛みや不快感が生じやすい傾向にあります。その反面、歯石を取り除く効率は極めて高いです。超音波による歯石除去なので、スケーラーの先端は基本的に歯に接触しません。そんな超音波スケーラーは、歯冠部に付着した歯石の除去に適応されます。

種類③エアスケーラー

エアスケーラーは、圧縮空気によって振動する器具です。歯石を取る仕組みは超音波スケーラーとほぼ同じですが、パワーは比較的弱くなります。振動数も少ないので、超音波スケーラーほどの効率性は期待できません。その分、施術中の刺激が弱くなるため、痛みや不快感も生じにくいです。エアスケーラーの適応も歯冠部が基本となります。

スケーリングの効果

歯が健康なイメージ

歯の表面に付着した歯垢・歯石を取り除くスケーリング・ルートプレーニングを実施すると、次に挙げるような効果が期待できます。

効果①お口のトラブル防止

歯垢・歯石が溜まらない

スケーリングでは、安全な形で歯石を取り除くことができます。施術後は歯の表面が滑らかになり、歯垢や歯石の再付着も防止しやすくなります。

虫歯・歯周病のリスクが下がる

虫歯菌や歯周病菌は、歯垢・歯石のような汚れが存在していないと、歯に定着することができません。スケーリングによって汚れが一掃されれば、細菌が住みにくい環境が整い、虫歯・歯周病のリスクも低下します。

歯茎が下がらない

歯石が溜まっている状態を放置すると、徐々に歯茎が下がっていきます。専門的には「歯肉の吸収」と呼ばれる現象です。これは歯周病菌が歯茎に炎症を起こすことで生じる症状なので、歯石を取り除けばそのリスクも抑えられます。

効果②口臭予防

スケーリングの効果として意外に見通されがちなのが「口臭予防」です。口臭の原因となる物質は、歯垢・歯石で繁殖した歯周病菌が産生します。それらをスケーリングで一掃してしまえば、自ずと口臭も改善、もしくは予防できます。

スケーリングの注意点

注意点

ここまで、スケーリングの手順や効果、スケーラーの種類などについて解説してきましたが、スケーリングで歯石除去する際には注意すべき点もいくつかあります。スケーリングは、歯のクリーニングとは異なる点が多々ある処置なので、歯石の除去に伴うリスクを十分に知っておくことが大切です。

注意①知覚過敏

皆さんは、象牙質知覚過敏症(ぞうげしつちかくかびんしょう)をご存知でしょうか?冷たいものがしみる現象で、おそらく皆さんも過去に一度は経験したことがあるかと思います。いわゆる知覚過敏は、一時的な症状にとどまることが多いですが、場合によっては慢性化します。そんな知覚過敏は、スケーリングによって生じることもあるのです。

歯石がなくなって歯根面が露出する

スケーリングで知覚過敏の症状が現れる原因は、歯根面の露出です。歯周病などによって歯茎が下がると、歯根の部分が露出します。歯根面にはエナメル質が存在せず、象牙質がむき出しとなっているため、そこに冷たいものなどが触れると知覚過敏が生じます。つまり、歯石は、歯根面を刺激から守る役割を担っていることがあるのです。それでも歯石は悪影響の方が大きい物質なので、スケーリングによって早急に取り除くことが必要です。

注意②出血

深くなった歯周ポケット内の歯石を取る場合は、歯茎からの出血を伴うことがあります。これは歯石だけではなく、汚染された歯茎の組織なども一塊として取り除く必要があるからです。そのため、ルートプレーニングをする際には、必ず事前に麻酔を施します。

注意③歯茎が下がって見える

スケーリングやルートプレーニングを行った後は、処置前と比較すると歯茎が下がったように見えることがあります。お口の健康のために受けた処置なのに、どうして症状が悪化するのか、疑問に思われる方も多いでしょう。その点はご安心ください。多くのケースでは、実際に歯茎が下がったのではなく、下がったように見えるだけです。これまで歯石によって覆われていた歯根面がスケーリングによって露出することで、歯茎が下がったように見えることがあります。

注意④歯と歯の隙間が目立つ

歯石が歯と歯の隙間に付着しているケースも、スケーリング後に見た目が変化することがあります。具体的には、歯と歯の隙間が目立ちようになります。これもスケーリングによって歯と歯の隙間が実際に広がったわけではないのでご安心ください。これまで歯と歯の隙間を塞いでいた歯石が取り除かれたことで、見た目に変化が現れただけです。

市販のスケーラーの使用について

スケーラーは、薬局やドラッグストアでも購入でき、自分自身でスケーリングすることも可能ですが、歯科医師からは推奨することはできません。スケーラーは、取り扱い方法を誤ると、歯や歯茎に深刻なダメージを与えるからです。そのため、スケーリングは基本的に歯科医院で受けるのが望ましいです。

まとめ

このように、歯石取りであるスケーリングは、歯がきれいになるだけではなく、虫歯や歯周病の予防や口臭の改善にまで寄与しますので、定期的に歯科医院で受けるようにしましょう。