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自宅での歯周病の治し方はある?歯周病ケアを意識した歯磨き法を紹介

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歯科コラム/2021年11月9日

歯周病イメージ

歯周病は、日本人の成人の約8割がかかっているといわれている病気です。“日本人の国民病”とも呼ばれることがあるくらい、発症率の高い病気なので、誰もが注意をしなければいけません。また、歯周病は一度かかると治りにくい、治したとしても再発しやすい病気であり、その症状に気付いたらすぐ対処することが重要といえます。そこで気になるのが「歯周病は自宅で治すことはできるかどうか」ですよね。ここでは、自宅での歯周病の治し方について、そのことも含めて詳しく解説します。

歯周病治療を自宅で出来ない理由

歯石

結論からいうと、歯周病を自宅で治療することはできません。それは歯周病の主な原因が歯石(しせき)だからです。

歯周病菌は歯石を住みかとして活動する

歯周病菌は、ツルツルとしたきれいな歯面に定着することはできません。そこに歯垢(プラーク)や歯石といった汚れが付着していて初めてお口の中にとどまることができるのです。これらはいわゆる“細菌の温床”となる物質ですね。

歯石は歯科医院でなければ取り除けない

プラークである歯垢は、自宅でのブラッシングで取り除けますが、歯石はそうはいきません。唾液による石灰化作用で文字通り石のように硬くなった歯石は、歯ブラシでいくらブラッシングしても除去できないのです。歯周病治療が自宅で行えない主な理由がこれです。

市販のスケーラーで除去できない?

歯科医院では、歯石をスケーラーと呼ばれる器具で除去します。皆さんも一度は歯科衛生士からスケーリング(歯石除去)という処置を受けたことがあるかと思います。先端が鋭利なスケーラーを使って歯や歯茎の溝に形成された歯石をガリガリと削り落とす処置であり、専門家でなければ安全に歯石を除去できない点にご注意ください。間違っても市販のスケーラーを使って自己流に歯石取りを行うようなことは避けてください。

歯周病を治せる洗口液はある?

洗口液

ドラッグストアなどには、「歯周病に効果がある」と謳っている洗口液(うがい薬)が販売されています。もしかしたら今現在、そうした商品を習慣的に使っている方もいらっしゃるかもしれませんね。そうした洗口液で歯周病を治すことはまず不可能であることを知っておいてください。

歯周病の予防効果はある

歯周病に効果がある洗口液は、基本的に「予防」に適した商品だとお考え下さい。洗口液でお口をゆすぐことによって、薬液が口腔内全体へと行き渡り、細菌の活動を抑えます。ある程度であれば、殺菌効果も期待できます。

ただし、それはあくまで一時的な作用です。お口の中に形成されているプラークや歯石を除去する効果はないので、すぐにまた細菌が増えていきます。洗口液に頼って歯ブラシによるブラッシングを怠れば、歯周病の症状はどんどん進行していくことになります。ですから、洗口液は歯周病の治療ではなく、予防に活用するのが正解といえます。

歯磨き粉のイラスト

歯周病を治せる歯磨き粉はある?

市販の歯磨き粉にも「歯周病に効く!」と謳っているものがありますが、これもまた歯周病の治療には結びつきません。

炎症を抑える効果は期待できる

市販の歯磨き粉で歯周病治療を強調している商品は、主に薬用成分による炎症反応を抑制する効果は期待できます。歯茎の腫れを少し抑えることで、歯周病の症状が改善したように感じますが、これもまた一時的なものです。そもそも市販の歯磨き粉に効果の強い薬用成分を配合することは許されていないので、歯周病を根本から治すことも不可能です。また、歯磨き粉によってプラークは除去できても、歯石は取り除けません。そういう意味では、進行した歯周病に効果は見込めないものの、まだ歯周病を発症していない人には、予防効果が期待できます。歯磨き粉には歯周病菌の繁殖を抑える作用もあるからです。

歯周病を治せる塗り薬や軟膏はある?

「歯周病を治せる!」という触れ込みで販売されている塗り薬や軟膏も歯周病を根本から治すことは不可能です。繰り返し述べているように、歯周病は細菌感染症であり、歯石が残存している限り、細菌も繁殖し続けるからです。とはいえ、塗り薬や軟膏に関しては、洗口液や歯磨き粉よりも薬としての効果は少し高くなっています。とりわけ歯肉(しにく)の炎症反応を抑える消炎作用は、それなりの効果が期待できます。ただし、一時的な効果であり、進行した歯周病にはほとんど意味がないともいえます。ですから、自宅で軟膏による治療を続けたとしても、歯周病の症状は進行していくことでしょう。

歯周病はアルコールで除菌出来る?

アルコール消毒液

歯周病は細菌による感染症であり、アルコールでお口の中を除菌すれば完治させられそうなものですよね。確かに、70%以上のアルコールを長時間お口の中に含ませれば、多くの細菌を殺すことはできますが、歯ぐきの細胞も死んでしまうことでしょう。これはとても危険な行為なので絶対に行わないようにしてください。お口の中は手足の皮膚以上にデリケートであり、刺激性の強い薬剤を作用させることはおすすめできません。

歯周病を治せる抗生物質(抗菌薬)はある?

抗生物質

歯周病は、歯肉に歯周病菌が感染することで発症する病気であり、細菌感染症である以上、抗菌薬が高い効果を示しそうなものですよね。これもまた勘違いされやすいポイントなのですが、抗菌薬だけで歯周病を治療することは不可能です。繰り返しにはなりますが、お口の中にプラークや歯石がある限り、細菌が繁殖し続けるので、抗菌薬を使ったとしても一時的な効果しか見込めません。もちろん、歯周病の症状も改善することはありますが、あくまでそれも一時的です。

歯科医院の治療では抗菌薬を併用することがある

実は歯科医院で歯周病治療を行う際には、抗菌薬を使うこともよくあります。具体的には、歯周ポケットの中などに薬剤を塗布して、抗菌作用を期待するものです。歯科医師が取り扱うため、比較的高い抗菌作用が期待できますが、それだけで歯周病を完治させるのは難しいです。歯科医師はそれを承知の上で抗菌薬を治療に併用している点にご注意ください。

歯周病を意識した歯磨き法

歯磨き

ここまで、歯周病は自宅では治せない点をわかりやすく解説してきましたが、その症状を和らげたり、予防したりすることは可能です。その際、重要となるのが毎日行う歯磨きです。歯周病を意識した正しいブラッシング法を身に付けることで、歯周病の改善および予防につなげることができます。

歯周ポケットを意識したブラッシング

歯と歯ぐきの間の溝を「歯周ポケット」といいます。このポケットには、プラークや歯石がたまりやすく、細菌繁殖の温床となりがちです。歯を磨く際には、この歯周ポケットに毛先を挿入することをしっかり意識してください。歯面に対して歯ブラシを45度に傾けることで、毛先がスムーズに歯周ポケットへと入っていきます。この時、強い力で磨きすぎると歯肉を痛めることになるため、やさしく丁寧にブラッシングするよう心がけましょう。

歯ぐきから出血しても歯磨きは行う

歯肉炎を患っていると、ブラッシングの際に歯肉から出血することがあります。歯ぐきに炎症反応が生じているからです。お口の中から血がでることは日常的にあまりないことなので驚かれる方も多いですが、それでブラッシングをやめてしまうようなことがあってはいけません。

出血するからといって歯磨きをやめてしまうと、歯周病の状態がどんどん進行していきます。もちろん、出血する箇所をゴシゴシと強くブラッシングしてはいけませんが、適切な方法で磨かないと、プラークや歯石が形成され、細菌の活動も活発化していってしまうのです。そのため歯ぐきからの出血が認められる場合でも、歯周病菌をしっかり除去できるようやさしく丁寧に歯磨きしていきましょう。

まとめ

このように、薬局やドラッグストアには、歯周病に効果がある製品がたくさん並んでおり、歯周病は自宅でも治せると勘違いされがちですが、実際はそうではありません。歯周病を治すためには、歯科医院での治療が不可欠です。そのため、歯ぐきや出血、歯がグラグラするなどの症状が現れた場合は、自宅で治そうとはせず、すぐに歯科医院を受診しましょう。歯周病治療の開始が遅れれば遅れるほど、症状も進行して最終的には歯を失うことにもなりかねません。