八重歯の治療法とは?矯正の種類と費用を解説

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歯科コラム/2022年1月19日

八重歯の治療法とは?矯正の種類と費用を解説

八重歯というと、悪い歯並びというよりは、ひとつのチャームポイントとして捉える人が多いです。「付け八重歯」というサービスがあるくらいですから、矯正治療の対象とは思っていない人もいらっしゃることでしょう。

けれども実際は、八重歯も立派な歯列不正の一種です。そのまま放置すると、さまざまなお口のトラブルを招きかねないため十分注意しましょう。ここではそんな八重歯の原因や放置するリスク、治療法、費用などをわかりやすく解説します。

八重歯とは

八重歯とは、前から3番目の永久歯である犬歯(けんし)が外側に飛び出した歯並びです。

専門的には「叢生(そうせい)」と呼ばれる歯並びの一種で、いわゆる“乱ぐい歯”と何ら変わりはありません。
正常な歯並びではないので、症状によっては治療で矯正した方が良いケースも少なくありません。

八重歯の原因

八重歯になる主な原因は「スペース不足」です。私たちの
永久歯は、親知らずを除くと全部で28本生えてきますが、顎の骨のサイズが小さくてスペースが不足していると、きれいな歯列弓を作れなくなります。その結果、犬歯が歯列の外側に飛び出してしまうのです。
乳歯の虫歯が重症化して、早期に抜け落ちることでもスペースが閉鎖され、八重歯を誘発することがあります。そういう意味でも、乳歯の虫歯は放置せず、見つけたらすぐに治療を受けることが大切といえます。

八重歯を放置するリスク

注意点

八重歯をチャームポイントとしている人は、なぜわざわざ矯正しなければならないのかと不思議に思われることでしょう。それは八重歯を放置することで、次に挙げるようなリスクが発生するからです。

歯磨きしにくくなる

八重歯の症状がある人は自覚しているかと思いますが、犬歯が歯列の外側に飛び出していると、歯磨きしにくいですよね。通常の歯ブラシでは隅々までブラッシングすることが難しく、毎日の口腔ケアにおいてワンタフトブラシやデンタルフロスが必須となっていることでしょう。

虫歯・歯周病のリスクが上昇する

汚れを落としにくいということは、歯垢や歯石がたまりやすく、それらが細菌の温床となります。その結果、虫歯や歯周病を発症してしまうのです。

口臭の原因にもなります

八重歯の症状があって、日頃から口臭が気になっている場合は、歯と歯の隙間などに汚れが蓄積しているのかもしれません。八重歯を常にプラークフリーな状態にするのは困難なため、食後はどうしても口臭が出やすくなります。

そしゃく能率が低下する

八重歯は歯列から大きく逸脱していることもあり、かみ合わせに参加していません。本来であれば下の歯とかみ合うことで、そしゃく運動に貢献するのですが、八重歯は位置関係上、それが不可能となっています。つまり、八重歯というのはそしゃく機能に全く貢献していないケースがほとんどなのです。

他の歯に過剰な負担がかかる

正常な歯並びでは、上下それぞれ14本ずつの歯が適切な位置でかみ合い、食べ物を噛み切る・すり潰すことを行います。そのうちの1本でも異常な位置にあると、噛んだ時の圧力を負担する配分は大きく乱れます。かみ合わせに全く参加していない八重歯の分は、他の歯が負担することとなるのです。それが20年、30年と続いていくと他の歯に多大な悪影響が及ぶのは想像に難くないですよね。

八重歯を治療した方がよい人

冒頭でも八重歯は矯正治療の対象となる歯並びといいましたが、実際に治療した方が良いケースが気になりますよね。

清掃性が悪い・磨き残しが多い

八重歯の部分がブラッシングしにくく、磨き残しも多くなっているのであれば、矯正治療を受けたが方がよいといえます。お口の中の衛生状態が悪くなると、口臭の発生、虫歯・歯周病リスクの上昇を招きます。

八重歯がかみ合わせに参加していない

これは八重歯のほとんどケースにいえることですが、犬歯がかみ合わせに参加していないと、その他の歯に大きな負担がかかってしまいます。八重歯を治して、犬歯にも相応の負担を与えることが大切です。その結果、歯列全体のかみ合わせが安定し、そしゃく能率も向上します。

八重歯の治療法

ワイヤー矯正

八重歯を治療する方法はひとつではありません。お口の中の状態や患者さんの価値観などによって、好きなものを選択することができます。ここではそんな八重歯の治療法をそれぞれ詳しく解説します。

【治療法①】抜歯矯正

抜歯矯正とは、その名の通り歯を抜いて矯正することです。一般的には「小臼歯(しょうきゅうし)」と呼ばれる前から4~5番目の奥歯を抜いて、八重歯を正常な位置に戻すためのスペースを確保します。健康な歯を抜くことに抵抗を感じる方もいらっしゃいますが、小臼歯は審美矯正装置面および機能面において、それほど大きな役割を担っていない歯なので、抜歯をしたとしても深刻なデメリットが発生することはありません。当然ですが、八重歯を正常な位置に移動することがより大きなメリットとなる場合のみ、小臼歯を抜歯します。

【治療法②】非抜歯矯正

非抜歯矯正は、比較的軽度の八重歯の症状に適応される歯並びの治療です。具体的には、前歯の側面を少し削ることで、不足しているスペースを確保します。削る量は最小限に抑えられますので、歯の寿命が縮まるようなことはありません。また、スペース確保のために削る歯は、ケースによって異なります。この方法だと、歯を抜かずに八重歯の症状を改善することが可能となります。

【治療法③】マウスピース矯正

インビザラインに代表されるマウスピース矯正は、マウスピース型の装置を装着して八重歯の症状を治す方法です。マウスピースは透明な樹脂で作られており、歯列にフィットするよう設計されるため、装着感は極めて良好です。矯正中であることを周囲の人に気付かれにくいというメリットがあります。また、比較的弱い力が歯を移動させることから、治療に伴う痛みも少なくなっています。マウスピースは患者さんご自身で着脱するタイプの装置なので、食事や歯磨きの際に取り外せます。

【治療法④】ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、最も標準的な矯正治療です。ブラケットとワイヤー矯正を歯列に装着して、歯並びを改善します。適応範囲が広く、八重歯はもちろんのこと、その他ほとんどの歯並びに対応できます。重度の八重歯の症状もワイヤー矯正ならしっかり改善することができるでしょう。ただし、装置が目立ちやすく、装着時の違和感・異物感も比較的強くなる傾向にあります。また、装置は固定式なので、自由に取り外すことはできません。

【治療法⑤】裏側矯正

裏側矯正とは、歯列の裏側にブラケットやワイヤーを装着する治療法です。専門的には舌側矯正(ぜっそくきょうせい)と呼び、歯科医師の高い技術や知識、経験が求められます。八重歯の症状を治すのに特別適した矯正治療というわけではありませんが、見た目が気にならないという点で希望される患者さんも少なくありません。

八重歯の治療にかかる費用

八重歯の治療にかかる費用

八重歯の治療にかかる費用は、選択した治療法やケースによって異なります。歯列全体を矯正する全顎矯正(ぜんがくきょうせい)であれば、80~100万円程度の費用がかかるのが一般的です。裏側矯正に関しては、値段が少し高くなる傾向にあります。また、治療期間によっても費用は変動しますので、事前にしっかり確認しておくことが大切です。

まとめ

このように、八重歯は口元の魅力のひとつとして捉えられることもありますが、基本的には歯並びの異常とお考え下さい。そのまま放置すると、虫歯や歯周病にかかりやすくなったり、その他の歯に大きな負担がかかったりするなど、さまざまなリスク・デメリットを伴います。そんな八重歯の症状が気になる方は、まず矯正相談を受けることをおすすめします。今回ご紹介した通り、治療法の選択肢は複数あります。